落書き帳


日本がもう少し美しくなったらいいなと毎日本気で思ってる私の日々を綴ります
by yukodododo

弔い

その昔、なかなか嫁に行きそうにない私に兄が、「お前は一体どんな男が好きなんだ?」と尋ねました。
迷わず「高倉健」と答えると、「はあ・・・(長い沈黙)。ますます婚期が遅れそうな発言やん。あんた問題よ。」
と言われたことが思い出されます。兄の知る限り、そんな男はもう日本からいなくなってしまったということでした。

(恐らく)母の影響で向田邦子さんの本を図書館で片っ端から借りて読んでた頃、健さん主演の「あうん」に出会ったのだと思う。
よく覚えてないけれど、テレビで放映してたのかなあ?
なにはともあれ、それから私の人生に高倉健さんが大きく踏み込んできます。

健さんの映画はいろいろ有名なのがあるけれど、私は「あうん」一本を推しています。
人には「この映画に出会ってよかった」と心から思える映画とか本っていくつかあると思うんだけど、
これも私の一本に殿堂入りしています。

あ、人には好みがあるので適当に読み流して下さい。
そもそも、この映画がすごく好きだと友達に言って、「いいよねえ!」とか「よかった!」と言われたことは今まで一度もないからね。
でもそんなことは重要なことではないの。
私にとっての人生の一本がみんなにとっての一本であるとは限らないから。ね。

そんな昨日(どんな昨日?)、氷雨の午後、初めて劇場でこの「あうん」を観たのでした。
有楽町スバル座は映画が始まる直前に、昔風の女性の声で「当劇場の非常口のお知らせをいたします」とアナウンスが流れます。
そして、「・・・・それではごゆるりと映画をご鑑賞くださいませ」と言った後に、ごっついチャイム音が流れ、他の映画の予告編なぞ一切なく、いきなり幕が開いて映画が始まります。
しびれました。

文字通り擦り切れるほどこの映画のビデオは観ていたけれど、7~8年は全く観ていなかったのです。
それでも、せりふを言えるほど覚えていて笑ってしまいました。

映画館の一番後ろの席にひとりで座っていたのですが、映画が終わってもとても立ち上がれませんでした。
健さんもよかったけれど、向田邦子も絶妙だなあと唸りました。
今の年齢になって心に響くものもありました。

その後、雨の夜の銀座の街を歩いて、どっぷり余韻に浸りながら家路につきました。
健さんはとても素敵でした。人柄や生き様がスクリーンににじみ出ていて、私もなんとしても素敵になってみたいと思いました。

年末ばたばたしていたので、やっと健さんの弔いができたという感じでした。
映画って本当にいいですねえ。

健さんありがとうございました。


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by yukodododo | 2015-01-22 12:00
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